読んで納得!電気柵設置法と豆知識

読んで納得!電気柵設置法と豆知識

電気柵って何に有効なの?どんな仕組みなの?

放牧管理では、動物を外に出さないという役目です
獣害対策では、動物を中に入れないという役目です

電気柵には「放牧管理では、動物を外に出さない」「獣害対策では、動物を中に入れない」という二つの役割があります。

電気柵は、ワイヤーに強い電気を流し触れた動物にショックを与えることで、「痛み」を学習させるとともに「怖い」と思う心理に作用させ、動物を「柵から出さない」「柵に近づかせない」ようにするものです。

電気柵は、放牧の国ニュージーランドのガラガー社で初めて開発されました。安全かつハイパワーな製品が世界中で評価され利用されています。

電気柵に流れる電流は「最大6,000〜10,000ボルト」という強い電流ですが、常時流れているわけではなく、通電時間が1秒ごとに0.01秒以下という形で断続的に流れているものですので、動物殺傷能力はなく動物を傷つけることはないとともに、人間が誤って触れてしまった場合でも危険回避が可能です。(強い静電気を受けたような痛みほどです)

電気柵の電気の流れ

電気柵の電気の流れ

電気柵の電流は、このように流れます。
乾電池にスイッチと豆電球をつなげた時の回路と同じようなものです。
本体が乾電池、電気柵が導線、動物がスイッチのようなイメージで、スイッチとなる動物が触れた際に電気が流れる(豆電球が点灯する)仕組みです。

電気柵の基本的な設置方法と電気の流れ

電気柵を設置してみよう!設置に必要な機器と設置方法

こちらのサイトでは、最近特にご相談が多くなっている「獣害対策」のための「電気柵設置法」をご紹介いたします。

電気柵設置に必要なもの

本体

本体

支柱

支柱

クリップ

クリップ

簡易緊張具

簡易緊張具

ゲートハンドル

ゲートハンドル

ワイヤー(柵)

ワイヤー(柵)

アース

アース

本体設置杭

本体設置杭

危険表示板

危険表示板

検電器

検電器

電気柵の設置には、基本的に上記10点が必要です。
用意する機材が多いので「揃えるのが大変そう....」「設置が難しそう....」と感じるかもしれませんが、設置はコツさえつかめば難しくはありません。

設置作業の際は上記の他に、杭や支柱を地中に打ち込むための「ゴムハンマーまたはプラハンマー」、ワイヤーを切るための「ハサミまたはニッパー」、「作業用手袋」をご用意ください。
ハンマーですが、鉄ハンマーを使うと支柱を傷つけてしまうため、ゴム素材かプラ素材のハンマーを使うことがポイントです。

協和テクノでは小・中規模の田畑に最適で、最近一番被害報告のある「ハクビシン・アライグマ」に特化した電気柵設置セットをご用意しております。
設置に必要なものが揃っているだけではなく、イノシシなどの中型動物にも効果を発揮する事で、ご好評をいただいているセットです。 ぜひこちらのご利用をご検討ください。

協和テクノがお勧め!ハクビシン・アライグマ用の家庭菜園セット

設置する準備をしよう

設置する準備をしよう

設置を始める前に、まず設置する場所の整備をします。
周辺に草があると草が柵に触れてしまい漏電の原因になったり、害獣が隠れられる場所になってしまう場合があるため、周辺の草刈りをしてください。また、地面がデコボコしてる場合にはならしておきます。

次に、支柱に段数分のクリップ(碍子<がいし>)を取り付けます。
取り付け位置は支柱を設置した後に調整するので、位置を決める必要はありません。

支柱を設置する間隔や柵取付の間隔は、対象動物によって異なります。以下を参考にして設置してください。

イノシシ対策

イノシシ対策

支柱間隔は4m以内
柵は20cm間隔で2〜3段

シカ対策

シカ対策

支柱間隔は5m〜10m
柵は30〜45cm間隔で4段

ハクビシン対策

ハクビシン対策

支柱間隔は4m以下
柵は10cm間隔で4段

サル対策

サル対策

支柱間隔は3m以内
柵は8段(設置図

クマ対策

クマ対策

支柱間隔は4m以内
柵は15cm間隔で3〜4段

協和テクノホームページにて、それぞれの「けもの対策法」を各動物の習性から始まり、電気柵設置方法も合わせてご紹介しておりますので、ぜひこちらのページもご覧ください。

支柱と柵を設置しよう

設置の際のご注意Attention!

傾斜地の近くに設置する際は、傾斜地から2m以上離しましょう

傾斜地の近くに電気柵を設置する場合に傾斜からの着地点に近い場所に設置すると、傾斜地からおりて来た勢いで電気柵を飛び越えられてしまう場合があります。
そのため、斜面から2mほど離し設置しましょう。

凹みのある場所には支柱を追加しましょう

設置前になるべく地面をならしますが、どうしてもへこみをならせない場所もあります。
そういった場合は、へこみに支柱を追加のうえ、その部分に柵を一段追加して、動物が入る隙間を作らないようにしましょう。

ベースとなる支柱を設置しよう

四角形の外周の場合、まず支柱を、各コーナー・出入り口となる部分合わせて6箇所設置します。
支柱はグラグラしないようハンマーを使い、20~30cm程度しっかり打ち込みます。
まっすぐ打ち込むよう心がけると、あとの仕上がりがきれいです。

ワイヤーを張ろう1

次に、一番下になる柵(ワイヤー)を出入り口部から、支柱の外側に張っていきます。
張る位置は対象動物によって違いますが、例えばハクビシンやアライグマ対策の場合は、地面から10cm上の位置に碍子(クリップ<がいし>)を調整します。

ワイヤーを張ろう2

柵(ワイヤー)は、クリップを通して張っていきます。通す外すが簡単なクリップ碍子(がいし)がおススメです。
ポイントは柱ごとにワイヤーを固定しないこと!!
そうすることで、回収やワイヤーの緊張の際に容易になることはもちろん、ワイヤーに人や獣が引っ掛かった際にも支柱やポールを傷めません。

残りの支柱を設置しよう

最下部のワイヤーを張り終えた時点で、対象動物の間隔で中間の支柱をワイヤーに沿って立てていきます。
すべての支柱の打ち込みが完了したら、段数分のワイヤーを対象動物の間隔に調整し張っていきます。

ワイヤー同士をつなごう

すべての段のワイヤーを張り終えたら、写真のように各段のワイヤーをつなぎ、全段電気が流れるようにします。

ゲートハンドルを取り付けよう

出入り口部分にゲートハンドルを取り付けます。
ハンドルは写真のようにクリップにかけて使用します。

ゲートハンドルはこちら

簡易緊張具を取り付けよう

最後に柵 ( ワイヤー)のたるみを取り、きっちり張るために簡易緊張具を取り付け、柵に緊張をかけます。
簡易緊張具は、簡単にワイヤーを緊張でき、緩めることで容易にワイヤーの高さを調整することが出来るので、草刈り作業の際も重宝します。

簡易緊張具はこちら

簡易緊張具と危険表示板を取り付ければ完了!

簡易緊張具を取り付けた後、危険表示板を目立つ場所に設置すれば柵の設置は完了です。
危険表示板は、電気柵を設置する上で必ず目立つ場所に設置するよう義務づけられていますので、忘れずに設置しましょう。

危険表示板はこちら

日本電気さく協議会 → http://www.nihondenkisakukyogikai.org/safetystandards/

本体とアースを設置しよう

本体とアースを設置しよう

柵がすべて張り終わったら、次に本体を設置します。
ガラガー電気柵の本体には柱となるポールを装着する穴や、ネジ等で柱に設置する穴が開いておりますので、環境に合わせ設置することが可能です。
太陽光パネルが付いているタイプの本体の場合は、十分に日があたる場所に設置します。

次にアースを地中深く埋め込みます。石場を避け、湿り気のある場所に埋め込むことが大切です。
アースが複数ある場合には、アース同士の間隔をできるだけ空け、垂直にしっかり埋め込みましょう。
ガラガー電気柵の本体にはワイヤーへ電気を流す接続端子(赤)とアースを繋げる接続端子(緑)が付いています。
緑の端子の線をアースにつなぎ、赤の端子の線を柵につなげれば、準備完了です。

電圧テストをしよう

本体とアースを設置しよう

すべての作業が完了したら一度電源を入れ、検電器を使い、複数の箇所で電圧のテストをしてください。
少なくとも4,000ボルト程度の電圧が必要です。
電圧が低い場合は、柵のまわりを点検して草・木・金属等が接触していないかどうかを確認してください。接触している場合は、除去してください。
電圧テストをし無事電圧が安定していることを確認したら、いよいよ稼働です。

検電器は、正確な電圧をデジタルで表示する、デジタルボルトメーターもございます。
見やすく正確に数字で表示するためおすすめです。

電気柵を使おう!使い方とお手入れ方法

電気柵を使おう!

すべての作業を終えたら、早速稼働させましょう。

ここが要注意!

電気柵は設置したその日から電気を流すようにしましょう。
獣が電気の流れていない柵(ワイヤー)に触れて、安全を学習してしまうと、電気柵を怖がらなくなってしまいます。
また、害獣は早朝や夕方など、薄暗い時間帯を好んで出没しますが、電気が流れていない電気柵に 慣れさせてしまうと効果がなくなりますので、そういった時間帯だけ電源を入れるのではなく、なるべく一日中電気を流す事をおすすめします。

「一度設置すれば放置していてもずっと正常に動作する」電気柵は、残念ながらありません。
せっかく電気柵を設置しても、定期的な点検とメンテナンスを怠ると電気柵の効果は得られなくなってしまいます。

  • 柵の電圧チェック
  • バッテリーの電圧をチェック
  • 支柱のぐらつきや破損がないかチェック
  • アースやバッテリーのコードに破損がないかチェック
  • 地面に動物が侵入したと思われるへこみはできていないかチェック
  • 柵のまわりの草刈りをする

このようなチェックやメンテナンスを定期的に行うことで、より長く電気柵をご活用いただけます。

防草シートの設置に関して:
大変多くの方から、防草シートを設置すると電気柵は効果がなくなるのか?とご質問をいただきます。
ガラガー電気柵は、よく使われている市販の防草シートであれば全く問題なくご利用いただけますので、維持管理にお勧めです。

電気柵の種類やアースの弱い場所では、電気柵用の防草シートが便利です。
ご興味ある方は、こちらをご覧ください。

電気柵用防草シート「ビビットシート」

電気柵の故障に関して:
電気柵は、屋外の大変過酷な環境で高電圧を発生させる装置です。そのため故障することもしばしば。
ガラガー電気柵は高品質で本体は安心の3年保証です。
スピード修理やサポート体制も充実していますので、長く安心してご利用いただけます。

協和テクノの安心フォロー

協和テクノの安心フォロー

電気柵設置でお悩みの際は、お気軽に協和テクノへお問い合わせください。
電気柵設置がはじめてでも安心してお使いいただけるよう、当社スタッフが誠心誠意をもって対応いたします。

また、設置後のメンテナンスについてもご相談を承っておりますので、こちらもお気軽にご相談ください。

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この他にもたくさんの電気柵用資材を取り揃えております。
ぜひ協和テクノネットショップサイトもご覧ください。