獣害対策のための、間違えないフェンスと電気柵
先日電気柵の本体の調子がおかしいということで、現場へ伺わせていただきました。
この地域では、主にイノシシ、サル、クマの被害があり、メッシュフェンスと電気柵の併用で対策を始めたとのことです。
現場に到着し車から降りると、「うわっ サル臭っ」と思ったら やはりサルがいました。
2匹とも残念なことにフェンスの内側に入っていました。
それでは電気柵を確認させていただきましょう。電気柵のパワーユニットはガラガーB700。
7.0J(ジュール)の非常に強力なパワーがある機種です。
本体を確認すると電源も入るししっかり稼働するようだ。
そこでまず大切なのが電気柵本体が不具合なのかどうかを調べる必要があります。
電気柵本体から一度、フェンスへつながるコードを外し、本体のみで十分な電圧が出ているかをテスター(電気柵用)で測定します。
よし、9000V、問題ない。本体は大丈夫なようです。次にアースがしっかり接続されているかを確認して問題なければ、、、あとは、ほぼ
漏電、フェンスの破損 と推測されます。
特に鋼材の柱やフェンスと電気柵の併用の場合には、草の漏電と違い、
電気柵のワイヤーが鋼材に触れているだけで、いくら強力な電気柵でも
エネルギーが地面に流れてしまい、全く効果がなくなってしまいます。
それでは歩いてフェンスを見て漏電箇所を探していきましょう。
広域の電気柵の場合は、スマートフィックスで漏電方向と漏電の大きさを確認すると
簡単に漏電箇所を見つけることが出来ます。
フェンスを見てすぐに驚くことを発見しました。
電気柵のワイヤーが内側に向いていたのです。
これではいくら電気柵が通電していてもサルが支柱を登り容易に進入できてしまいます。
こ、これは早く直した方がいいですよ。とお伝えさせていただきました。
フェンス設置の際に業者から指導や説明は無かったのかな?と歩いていくと、すぐに1か所発見できました。コーナーで電気柵ワイヤーが鉄柱に触れていました。
特にこの碍子はコーナー部で使うとワイヤーを緊張した際に、回ってしまうようです。
地域で広域で設置する恒久の電気柵には不向きかもしれません。
蝶ねじでパイプに簡単に取り付けられる碍子かもしれませんが、地域の方が言っていましたが、徐々にゆるんでくるそうです。
温度や環境で樹脂が変形し、緩んでしまうことは十分に考えられますし、パイプはメッキ処理されていて滑りやすくすぐに動いてしまいます。
サルが登って、ワイヤーを引っ張ることで碍子がズレたり、破損してしまうと維持管理が本当に大変になってしまいます。恒久柵にはビスで柱に固定する恒久柵用の電気柵用碍子をお勧めします。
あ、ワイヤーが碍子から外れていますよ!
沢山の漏電箇所を発見し、直して回りました。が、何度も言いますが、外側(獣が来る方)に張りましょう。フェンスや電気柵をやってもあまり意味のないものに苦労して維持管理をすることは、地域の電気柵やフェンスをしっかりと維持管理し、獣害対策を行おうとする気持ちを減退させる原因になってしまいます。
特に電気柵を併用したフェンスを導入、設置する場合、実際のフィールドでは机上のアイデアや想像イメージが通用しないことが多いので、設置、維持管理などのサポートを行える業者や指導員に正しい知識や指導をしてもらいましょう。
恒久電気柵の場合は、取り付けが簡単だからとかイメージ先行による資材選択はその後の維持管理に
大変な労力が待ち受けている場合があります。多少大変な設置施工も最初の一度だけ。
その後の維持管理がしやすく、効果あるフェンスシステムで獣害対策が重要です。
※追記ですが、サルもイノシシも獣たちは非常に力があります。サルの引っ張る力、イノシシが鼻で持ち上げる力は強力です。私たちが想像する以上の力を持っています。
見た目はよくできたフェンスでも、簡単に破壊されてしまいます。
電気柵やフェンスをお考えで、ご不明な点などあればお気軽にお問合せください。
協和テクノでは、積み重ねた経験で、しっかりとご説明させていただきます!!